黄昏に香る音色 2
香里奈は自然と微笑み…また海を見た。

「ナオくん…」

「何?」

「あたしが、真剣に…音楽を始めたら…応援してくれる?」

「うん。勿論」

直樹も夕陽を見つめ、

「香里奈のマネージャーにでもなるよ」

直樹はそう言うと、

隣にいる香里奈に、微笑みかけた。

香里奈は、直樹をじっと見つめる。

「マネージャーに…なるだけ?」

香里奈の問いに、直樹は少し苦笑し、

はにかみながら、

「ずっと、そばにいるよ」

直樹の言葉が合図となり、2人はゆっくりと、互いに近づき、

夕陽に照らされながら、

そっと口づけをした。








その様子を、階段の一番上から、

優が見ていた。

優は、2人が口づけしょうとした瞬間に、

背を向けて、歩きだした。
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