黄昏に香る音色 2
思惑
一人…トボトボ歩いてしまう香里奈…。

先程の…和也の言葉が、気にかかる。

正直、

直樹に告白されて、いやな気持ちには、ならなかった。

戸惑ったけど、ドキドキした。

でも…

あまり彼を知らない。

香里奈の足は、いつになく重い。

やっと駅近く来た時、香里奈を、呼ぶ声が後ろから、聞こえた。

振り返ると、全速力で走ってくる直樹が見えた。

息を切らしながら、物凄い速さで、香里奈に追いついてくる。

「間に合った…」

直樹は、激しく息をしながらも、笑顔を香里奈に向けていた。

「部活じゃなかったの?」

里緒菜は、今日も部活で、忙しいと言っていた。

「行ったんだけど…途中で抜けてきた。ぼくのパートは、もう完璧だし」

直樹は、駅から見上げる山を眺めた。

ダブルケイも見える。

「それに、ちゃんと話したかったんだ。好きになった理由を」

直樹は、香里奈に視線を移し、眩しそうに見つめた。

夕焼けの光が、美しく香里奈を照らしていた。





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