黄昏に香る音色 2
親の幻
ダブルケイ。
カウンターに座り、オレンジジュースを飲む、香里奈。
カウンター内では、里美が背を向けて、仕込みをしていた。
「里美おばさん」
返事がない。
「おばさん!」
返事がない。
香里奈は頬杖をつき、
仕方なく、
「里美お姉さん」
「なあに?香里奈ちゃん」
やっと返事が帰ってくる。
香里奈は、肩をすくめた。そして、おもむろに話しだした。
「元気がでる歌って…なんだろ?」
香里奈の質問に、里美は味見をしながら、
「それは、人それぞれ、感じ方が違うから…一概には言えないわね」
里美は振り返ると、箸でつまんだ煮物を、香里奈の口にほり込んだ。
思わず、熱さにびっくりしたが、
「おいしい!」
里美は、料理がうまい。
「歌に、興味がでたの?」
「別に…」
そっけない香里奈。
里美は、ため息をつくと、
「昔のあんたの歌は、前向きで、まっすぐな歌だったよ」
そう言うと、里美はまた鍋と向き合った。
「またやりたくなったら、いつでもやりなさい。遠慮せずに」
「うん…」
香里奈は、力なくこたえた。
カウンターに座り、オレンジジュースを飲む、香里奈。
カウンター内では、里美が背を向けて、仕込みをしていた。
「里美おばさん」
返事がない。
「おばさん!」
返事がない。
香里奈は頬杖をつき、
仕方なく、
「里美お姉さん」
「なあに?香里奈ちゃん」
やっと返事が帰ってくる。
香里奈は、肩をすくめた。そして、おもむろに話しだした。
「元気がでる歌って…なんだろ?」
香里奈の質問に、里美は味見をしながら、
「それは、人それぞれ、感じ方が違うから…一概には言えないわね」
里美は振り返ると、箸でつまんだ煮物を、香里奈の口にほり込んだ。
思わず、熱さにびっくりしたが、
「おいしい!」
里美は、料理がうまい。
「歌に、興味がでたの?」
「別に…」
そっけない香里奈。
里美は、ため息をつくと、
「昔のあんたの歌は、前向きで、まっすぐな歌だったよ」
そう言うと、里美はまた鍋と向き合った。
「またやりたくなったら、いつでもやりなさい。遠慮せずに」
「うん…」
香里奈は、力なくこたえた。