黄昏に香る音色 2
まったく帰ってこない夫に、千春は心配して、会社に電話したが、

もう退職したといわれた。
警察に捜索願いをだそうとしたが、受け取ってくれない。

まだ赤ん坊の明日香を、抱えながら…途方にくれていると、家に電話が入った。

執事からだった。

坊ちゃまがお呼びですので、至急こちらの場所まで来て頂きたいと…。

千春は明日香を抱え、その場所に向かった。


大きなビル。

時祭財団の本社ビルだった。

最上階の社長室に、通された。

そこには、

仕立てのよいスーツを着た…光太郎がいた。

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