天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
軽い山歩きの感覚で、やっと校門に見えるところまで、歩いてきた梓の目に、1人の少年の姿が飛び込んできた。
腕を組み、校門にもたれながら、少年は誰かを待っているように、佇んでいた。
(風紀委員?)
梓は、訝しげに首をかしげながら、校門に近づいていった。
少し早足になる梓の目に、少年の顔がはっきりと、映し出された。
(彫りの深い顔だ…)
それが、第一印象だった。
そして、少し分厚い唇に、まっすぐな眉。鼻が高い。
一瞬で、梓は分析していく。
少年は、目を閉じていたから、瞳の感覚はわからなかった。
梓は、別に声をかけられる訳でなく…少年の前を通り過ぎた。
振り返ることなく、校舎に向かう梓。
もし…振り返ったなら、少年と目があったことだろう。
「まさか…最初の学校…最初の生徒で、ビンゴとは…」
瞳を開けた空牙は、口元を緩めた。
観察していたのは、梓だけではない。
空牙もまた、梓の内側を探っていたのだ。
校門から離れ、学校内に入ろうとした空牙は、妙な視線を感じた。
刺すような視線。
振り返った空牙の真後ろ…3メートル程向こうに立つ…1人の女。
背中で鞄を背負い、じっと空牙を見つめる…その視線は、鋭かった。
(誰だ?)
空牙は、その女と面識がなかった。
とっさに、女の心を読もうとした。
(!!)
が、心が読めなかった。
それは、この世界に来てから、初めてのことだった。
(馬鹿な…。ブルーワールドでも、余程の術者でないと…心を読まさないことなど…できない)
空牙は右手の指を揃え、攻撃体勢に入ろうとした。
その時、女はぺこっと頭を下げると…空牙の真横を通り過ぎていった。
3メートルは離れていたはずなのに、女は空牙を追い越して行った。
(瞬歩?あり得ん!)
空牙は、女の動きを追った。
もう五メートルは、離れていた。
(何者だ?)
空牙は、女の背中を見つめた。
背中まである長い黒髪を、なびかせながら、
女は校舎の入口に向けて、歩いていく。
そのすぐ前に、梓がいる。
空牙は、軽く舌打ちした。
腕を組み、校門にもたれながら、少年は誰かを待っているように、佇んでいた。
(風紀委員?)
梓は、訝しげに首をかしげながら、校門に近づいていった。
少し早足になる梓の目に、少年の顔がはっきりと、映し出された。
(彫りの深い顔だ…)
それが、第一印象だった。
そして、少し分厚い唇に、まっすぐな眉。鼻が高い。
一瞬で、梓は分析していく。
少年は、目を閉じていたから、瞳の感覚はわからなかった。
梓は、別に声をかけられる訳でなく…少年の前を通り過ぎた。
振り返ることなく、校舎に向かう梓。
もし…振り返ったなら、少年と目があったことだろう。
「まさか…最初の学校…最初の生徒で、ビンゴとは…」
瞳を開けた空牙は、口元を緩めた。
観察していたのは、梓だけではない。
空牙もまた、梓の内側を探っていたのだ。
校門から離れ、学校内に入ろうとした空牙は、妙な視線を感じた。
刺すような視線。
振り返った空牙の真後ろ…3メートル程向こうに立つ…1人の女。
背中で鞄を背負い、じっと空牙を見つめる…その視線は、鋭かった。
(誰だ?)
空牙は、その女と面識がなかった。
とっさに、女の心を読もうとした。
(!!)
が、心が読めなかった。
それは、この世界に来てから、初めてのことだった。
(馬鹿な…。ブルーワールドでも、余程の術者でないと…心を読まさないことなど…できない)
空牙は右手の指を揃え、攻撃体勢に入ろうとした。
その時、女はぺこっと頭を下げると…空牙の真横を通り過ぎていった。
3メートルは離れていたはずなのに、女は空牙を追い越して行った。
(瞬歩?あり得ん!)
空牙は、女の動きを追った。
もう五メートルは、離れていた。
(何者だ?)
空牙は、女の背中を見つめた。
背中まである長い黒髪を、なびかせながら、
女は校舎の入口に向けて、歩いていく。
そのすぐ前に、梓がいる。
空牙は、軽く舌打ちした。