天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「おい」

翼竜が空中で、翼を羽ばたかせると、さらなる突風が吹く。

アルテミアは、倒れた人々の胸倉をつかむと、

「お前らのポイント…貸せ」

人々は怯えながら、素直にカードを差し出す。

アルテミアは、自分の持っていたカードの先と、人々のカードの先を1枚1枚…合わせていく。

「よし!百ポイント」



翼竜の巨大な影が、人々を覆う。


こちらを見た翼竜の口から、火の玉が放たれた。

「ヒッ」

頭を覆った人々を、蹴りでどかすアルテミア。

「邪魔だ」

剣を構え、気合いとともに、

火の玉を、真っ二つに切り裂いた。

切れた火の玉は、周りのビルに燃え移り、

一瞬にして、ロウソクのように燃え上がる。


「モード・チェンジ」

アルテミアの服装が、黒いスーツに変わる。

地上にいたアルテミアが、一瞬にして、30階くらいあるビルの屋上に降り立つ。

黒いサングラスを、指先で上げる。

後に、ぼくは知ることだけど、

これは、フラッシュ・モード。

黒い閃光といわれる…スピードとしなやかさをメインにした…アルテミアの変化の1つだ。

それと、もう一つ。

アルテミアの上空に、雨雲が発生した。

翼竜は、ビルの上のアルテミアに気づき、

ビルの側面に沿って、上昇しながら、再び口を開けた。
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