天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
道は少しづつ…なだらかに上へ上がっていく。

それと比例して、道の両側に木々が増えてきて……やがて、左右と頭上もを覆う森へと変わっていく。

視界は、前しか続いていない。

鉄道も、この丘には通っていない。

なぜなら、丘を越えたら…

絶望しか見えないからだ。

丘の頂上に近づいた瞬間、左右の茂みから、五人の男が現れた。

先程、町から付けてきた集団は、いつのまにかリョウ達に追い付いていた。

彼らは、茂みの中を通ってきたのだ。


「誰?」

五人は、十代後半か二十代前半に見えた。勿論、リョウに面識はない。

その中の1人…茶髪で髪を尖らせた男が、前に出てきた。その手には、銃を持っていた。

男は銃口を、リョウに向けながら、

「この時期に、この丘を越えようって、やつは……魔物と戦える武器を持ってるやつだけだ。それも、強力なやつを…」

男が話している間に、他の四人がリョウとフレアを、後ろから羽交い締めにした。


「俺達は、結界が消えても、生き残る!その為には、もっと武器が必要なんだよ」

と言った瞬間、リョウは無理矢理ケースを奪われた。

「か、返せ!」

リョウの額に、銃口が押し付けられた。

「教えてやるよ」

銃を持った男は、にやりと笑った。

「力無き者に、権利はない」

男の目は、鋭い光を放ちながらも、どこか死んだ魚のような目をしていた。



「こ、これは!」

ケースを奪った男が、驚きの声を発した。

「どうした?」

リョウの額に銃を当てながら、男はケースの方を見た。

ケースを開けた男は中身を、手に取り、震えながら言った。

「ド、ドラゴンキラーだ!」


「ド、ドラゴンキラーだと!」

リョウから、視線を外して、男はドラゴンキラーの方を見た。

「前世紀の対魔物兵器は、すべて残っていないはずだぞ!」

「ま、間違いないよ!…と、図書館で写真見たことあるしいいい!」

ドラゴンキラーを見て、五人はは歓喜の声を上げた。

「これで、戦えるぞ!」


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