天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
マリーの絶叫が、木霊する。

「あの家畜とのハーフを!」

マリーの手のサーベルは…砕け散り、全身から雪が吹き出したと思うと、

マリーを中心として、吹雪が起こる。

花は…凍りつきながら、空中に舞い上がり、ガラス細工のように、粉々になって消えていく。

渡り廊下は凍りつき…吹雪でまったく、視界が見えなくなる。

「どうしてなのよ!」

マリーの叫びが終わると、吹雪も止んだ。


「まあ〜仕方ないんじゃないの。あいつは、あたし達とは違うんだから」

吹雪が止んだ後…平然な顔で、ネーナが腕を組んで立っていた。

まったく、凍ってもいない。

ネーナは鈎爪で、空気をかくように、一回転した。

あっという間に、氷は溶け、水蒸気が渡り廊下に立ち上る。

マリーはネーナを睨み、

「あたし達は所詮、あいつの代わりなのよ」

「そうかしら?」

ネーナは、意見が違うらしい。

「あいつは、資格を捨てたのよ」

「フン!信じられるものか」

マリーは、ぐちゃぐちゃになった花壇を、足で踏みつけた。

生えていた花だけでなく、土も凍る。

「だから!必要なのよ!あれが…」

マリーは、凍り付いた土から花を抜き取ると、握り潰した。
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