天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ネーナは肩をすくめ、

「でも…今、どこにあるのか、わからないんでしょ」

マリーは、手のひらをネーナに向け、潰した花を見せた。

眉をひそめたネーナに、

マリーはクスッと、笑った。

「最後に持っていたのは、家畜はずよ」

「だけど…アルテミアは、持ってなかったでしょ?持っていたなら…お父様との戦いで、使ったはず」

ネーナは、首を捻った。

「アルテミアは、持っていないわ」

「じゃあ…誰が?」

「それは…わからない」

マリーは、花を投げ捨てた。

「だけど…お父様は、知ってるはず!なぜなら」

ネーナは腕を組み、マリーを上目遣いで見つめる。

マリーは、両手を広げる。

「あれは…お父様の唯一の弱点」

「フッ」

ネーナは、うっすら笑った。

「お父様を殺せる武器…」

マリーは、渡り廊下の鉄の手摺りを、拳で叩き潰した。

破片が、地面に落下していく。

下は、100メートル程の深さがある谷になっており、


破片は、下に流れる川に落ち、水しぶきが上がった。

だけど、渡り廊下には届かない。

「ヴァンパイア・キラー…」

マリーは口調は強く、言葉を絞り出すように言ったが、

声は小さかった。
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