天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「!?」

アートは突然、コップを口に運ぶ途中で、手を止めた。

「アート?」

その動きの不自然さに、ティフィンが気付いた。

アートはコップを置き、遺跡の入り口に走った。

「アート!」

叫ぶティフィンに、アートは振り返り、

「ティフィン!……皆さん!ここから、動かないで下さい」

アートは、遺跡から飛び出ると、目の前に広がるジャングルの草木が震えているのを感じてた。


「何があったんだ!アートさん」

アートの後を追おうとした研究員達は、突然鳴り響いた警告音に、驚いた。

遺跡内で反響し、音が響いていた。

禿げた研究員は慌てて、銃の横に置いてあった魔物探知機を止めにいった。

そして、探知機に示された数値に愕然となった。


「ま、魔神!!い、いや、騎士団長が、近くに来ています」

と言うと、研究員は腰を抜かした。


騎士団長という言葉に、他の研究員も身を震わせた。


「アート!」

飛び出そうとするティフィンを、研究員達が止めた。

「騎士団長がいるんだぞ!」

ティフィンは振り返ることなく、

「騎士団長とは、戦ったことがあるわ!」

そのまま、真っ直ぐアートの後を追った。



「騎士団長と、戦った……!?」

「何者なんだ?あの妖精は」 

研究員達は、震えながらも、顔を見合わせた。






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