天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「空雷牙…」

僕は唖然としながら、呟いた。

星の鉄槌ともいわれる技。

この星を巨大な顔とするならば、空雷牙は…星の牙である。

この星が発生できる…限界の雷。

それが、空雷牙…または、雷空牙といわれる技である。

「いでよ!雷神!風神!」

バイラの両手にあるトンファ-タイプのチェンジ・ザ・ハートに、エネルギー体である雷神と風神が、乗り移る。

(アルテミアが…初めて使った時の発動方法)

最近は、一瞬で空雷牙を撃てるようになったが…昔はプロセスを踏んでいた。


「フン」

アルテミアは、ドラゴンキラーを一振りすると、頭上に突き上げた。

「撃つなら、撃て!」

アルテミアには、微塵の恐れもない。

「雷…空…」

空中で、バイラが発動体勢に入った時、無数の光線がバイラの背中を直撃した。

「な!」

突然の攻撃に、バイラは弓なりに背中を反らせ、体勢を崩れた。

光線は、間をあけずに次々に、バイラに当たった。


アルテミアは、ドラゴンキラーを消すと、空中にジャンプした。

アルテミアの目は、バイラの持つ手が緩んだことを、見逃さなかったのだ。

「チェンジ・ザ・ハート!」

アルテミアの声に呼応して、チェンジ・ザ・ハートは突然回転すると、バイラの手を弾き、 

突き出したアルテミアの両手に向かって、飛んでくる。


「モード・チェンジ!」

再びエンジェルモードになったアルテミアは、空中でチェンジ・ザ・ハートを掴むと、槍に変えた。

間髪を入れずに、槍を振るう。

「Blow Of Goddess!」

雷神と風神の力を宿した女神の一撃を、バイラの足元から突き上げる形で、炸裂させた。



「ク」

バイラは、背中に攻撃を受けながら、両手を下に突き出した。

バイラの雷撃が、女神の一撃を受けとめるが、

それを突き破り、バイラは雷鳴に包まれた。

凄まじい光のフラッシュバックで、目が見えないはずなのに……アルテミアは、雷鳴の中に飛び込み、光の震源地に回し蹴りをたたき込んだ。

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