天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ブラックカードが輝き、黒き光がジャスティンを包んだ。

ジェーンが放った光の矢は、突然現れた黒き手に受け止められ、拡散した。

唖然となるジェーンに、ジャスティンの声が聞こえてくる。

「モード・チェンジ…。かつて、魔力の使えぬ人々の為に、ティアナ先輩が考案した能力。しかし、各属性に一瞬で変化させる為…その負担は大きく、ティアナ先輩の命を縮めた」

黒き光の中から、異形の者が姿を現す。

「クラークは自らの体を、モード・チェンジの実験体とされ、力を得た代わり…人の姿を失った」

「この姿は!?」

ジェーンは無意識に後退った。


「モード・チェンジの完成形は、天空の女神アルテミアによってなされたが、人の身では駄目なのか…。その答えを、防衛軍の科学者が出してくれた」

黒い漆黒の結界を身に纏ったジャスティンが、ジェーンに近づいていく。

「このDIGシステムが」

「ディグ…馬鹿な!このシステムは」

「フン」

ジャスティンは鼻を鳴らし、

「ブラックカードは、ポイントを集める強制が呪いのようにあったが……こいつは、プロトタイプブラックカード!そんな呪いはない」

ディグを纏ったジャスティンの頭部にある単眼の赤き目が、光った。

「クッ!」

ジェーンはとっさに、サイコキネッシスを集めた光の矢を次々と放つ。

「無駄だ!この体には、きかん!」

ジャスティンは、拳を握り締めた。そして、ジェーンに襲い掛かる。

「ジェーンよ。今一度問う!すべての人々の為に、力をかしてくれ!」

「できないわ!」

ジェーンは、テレポートしょうとしたが、それよりも拳が速い。

「なぜだ!本当は、そう望んでいるはずだ!」


「あたしは、王なの!」



ジャスティンの拳は、ジェーンの頬をかすめると、後ろの壁に突き刺さり、壁を破壊し、突き破った。

「うおおお!」

ジャスティンは咆哮を上げると、その場から消えた。

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