天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「え?」
ただジャスティンの後ろをついて歩いていただけなのに、
いつのまにか、カレンは島を抜けていた。
反対側の崖まで出てきたカレンは、茂みを抜けて、突然足元がないことに気付いた。
ジャスティンは、空中を歩いていた。
「お、奥って…」
カレンは落ちる前に、ブラックカードを発動させた。
ジャスティンは前を向いたまま、プッと少しふき、
「奥の小屋と言っただけで、島の中とは言ってない」
「あのさあ~!」
カレンは浮遊魔法を使い、数メートル下は海という空中を歩き、ジャスティンにつかつかと近づこうとした時、
いきなり背筋に悪寒が走った。
「な!」
空中で凍り付いたカレンの頭を、ジャスティンが押さえつけ、腕力だけで浮遊魔法を無理矢理破ると、
二人は、そのまま海に直角に落ちた。
ジャスティンは海中に潜ると同時に、ブラックカードを発動させ、二人を包む結界を作り、さらに数キロテレポートした。
ジャスティン達が落ちた場所が一瞬で、凍り付いた。
「あれは…」
カレンは結界の中で、震えながらも、上空を通り過ぎていく2つの影を睨んだ。
「気を放つな」
ジャスティンも上空を見つめながら、
「あいつらには、かなわない」
「あ、あいつらは、一体…」
怒りと憎しみを噛み締めながら、カレンはすぐに通り過ぎた2つの影の後を追った。
「気にも掛けていないか…虫けらなど」
ジャスティンは笑うと、ブラックカードを握り締めた。
「あいつらは…一体…」
2つの影の気を感じなくなっても、震えはカレンからしばらく消えなかった。
「女神だ…」
「女神!?」
思わずカレンの声が、上ずった。
「一体…どこへ…」
「奴らを倒せる者のところさ」
ジャスティンは、肩をすくめ、
「意地だな…。神々のプライド」
「神々のプライド…」
カレンは十字架のペンダントを握り締めると、呼吸を整え、震えを止めた。
そして、心に誓った。
(神を超える)
と、情けない自分に言い聞かすように。
ただジャスティンの後ろをついて歩いていただけなのに、
いつのまにか、カレンは島を抜けていた。
反対側の崖まで出てきたカレンは、茂みを抜けて、突然足元がないことに気付いた。
ジャスティンは、空中を歩いていた。
「お、奥って…」
カレンは落ちる前に、ブラックカードを発動させた。
ジャスティンは前を向いたまま、プッと少しふき、
「奥の小屋と言っただけで、島の中とは言ってない」
「あのさあ~!」
カレンは浮遊魔法を使い、数メートル下は海という空中を歩き、ジャスティンにつかつかと近づこうとした時、
いきなり背筋に悪寒が走った。
「な!」
空中で凍り付いたカレンの頭を、ジャスティンが押さえつけ、腕力だけで浮遊魔法を無理矢理破ると、
二人は、そのまま海に直角に落ちた。
ジャスティンは海中に潜ると同時に、ブラックカードを発動させ、二人を包む結界を作り、さらに数キロテレポートした。
ジャスティン達が落ちた場所が一瞬で、凍り付いた。
「あれは…」
カレンは結界の中で、震えながらも、上空を通り過ぎていく2つの影を睨んだ。
「気を放つな」
ジャスティンも上空を見つめながら、
「あいつらには、かなわない」
「あ、あいつらは、一体…」
怒りと憎しみを噛み締めながら、カレンはすぐに通り過ぎた2つの影の後を追った。
「気にも掛けていないか…虫けらなど」
ジャスティンは笑うと、ブラックカードを握り締めた。
「あいつらは…一体…」
2つの影の気を感じなくなっても、震えはカレンからしばらく消えなかった。
「女神だ…」
「女神!?」
思わずカレンの声が、上ずった。
「一体…どこへ…」
「奴らを倒せる者のところさ」
ジャスティンは、肩をすくめ、
「意地だな…。神々のプライド」
「神々のプライド…」
カレンは十字架のペンダントを握り締めると、呼吸を整え、震えを止めた。
そして、心に誓った。
(神を超える)
と、情けない自分に言い聞かすように。