天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
アルテミアの赤い瞳が、僕を射ぬく。その瞬間、僕の全身は硬直し、動かなくなった。
「瞳は脳に近く…その情報をつねに、脳に与えている。だからこそ、そこから攻撃を与えれば、脳が神経等に送る信号を遮断したり、幻を見せることが、可能性だ」
「アルテミア!」
僕は、動かない指を何とか動かそうとするが、まったく動かない。
「だが…所詮、外的要因だ。体の仕組み…神経すらも意識しろ!お前の心が強ければ、呪縛は簡単に解ける」
アルテミアの言葉をきき、僕は心を意識した。
(強く!)
心の強さとはなんだ。
それは、負けないことだ。
(心は負けない)
例え肉体が滅び、能力が圧倒的に上で、殺されたとしても、心が負けなければ…いいんだ。
「うおおお!」
雄叫びとともに、僕の全身に電流が走り、アルテミアの呪縛を跳ね返した。
体が自由になった瞬間、僕は両膝を砂浜に落とした。
僕の膝を波が、打った。
アルテミアは僕の前に立ち、少し見下ろした後、
ゆっくりと腰を下ろした。
「赤星…」
アルテミアは僕の顔を覗き込み、優しく微笑んだ。
「あたしは、お前の優しさが好きだ」
「アルテミア!?」
アルテミアが口にするはずがない単語を聞いて、僕は驚いた。
アルテミアは気にせずに、微笑んだまま、言葉を続けた。
「戦場で優しい…そんなやつはすぐに、命を落とす。甘過ぎる。お前は、そう言われて来た。だけど、お前は誰よりも優しく…涙を流し、力無き時から、生き残ってきた」
アルテミアは手を伸ばし、僕の頬に触れた。
「死にかけても…その度に強くなり、お前はお前の道を貫いてきた。お前は、強くなった」
「ア、アルテミア」
「お前はお前らしく、強くなれ。優しさは、お前の武器だ」
「…」
「お前がさらに強くなるまで…あたしが、そばにいてやるから…お前は、その優しさと甘さを捨てるな」
「アルテミア」
僕は、アルテミアが始めてみせる表情に、嬉しさよりも切なさを感じた。
あれ程、強かったアルテミアを守りたく思う自分が悲しかった。
「瞳は脳に近く…その情報をつねに、脳に与えている。だからこそ、そこから攻撃を与えれば、脳が神経等に送る信号を遮断したり、幻を見せることが、可能性だ」
「アルテミア!」
僕は、動かない指を何とか動かそうとするが、まったく動かない。
「だが…所詮、外的要因だ。体の仕組み…神経すらも意識しろ!お前の心が強ければ、呪縛は簡単に解ける」
アルテミアの言葉をきき、僕は心を意識した。
(強く!)
心の強さとはなんだ。
それは、負けないことだ。
(心は負けない)
例え肉体が滅び、能力が圧倒的に上で、殺されたとしても、心が負けなければ…いいんだ。
「うおおお!」
雄叫びとともに、僕の全身に電流が走り、アルテミアの呪縛を跳ね返した。
体が自由になった瞬間、僕は両膝を砂浜に落とした。
僕の膝を波が、打った。
アルテミアは僕の前に立ち、少し見下ろした後、
ゆっくりと腰を下ろした。
「赤星…」
アルテミアは僕の顔を覗き込み、優しく微笑んだ。
「あたしは、お前の優しさが好きだ」
「アルテミア!?」
アルテミアが口にするはずがない単語を聞いて、僕は驚いた。
アルテミアは気にせずに、微笑んだまま、言葉を続けた。
「戦場で優しい…そんなやつはすぐに、命を落とす。甘過ぎる。お前は、そう言われて来た。だけど、お前は誰よりも優しく…涙を流し、力無き時から、生き残ってきた」
アルテミアは手を伸ばし、僕の頬に触れた。
「死にかけても…その度に強くなり、お前はお前の道を貫いてきた。お前は、強くなった」
「ア、アルテミア」
「お前はお前らしく、強くなれ。優しさは、お前の武器だ」
「…」
「お前がさらに強くなるまで…あたしが、そばにいてやるから…お前は、その優しさと甘さを捨てるな」
「アルテミア」
僕は、アルテミアが始めてみせる表情に、嬉しさよりも切なさを感じた。
あれ程、強かったアルテミアを守りたく思う自分が悲しかった。