天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
あれから、数ヶ月がたった。

「仕方がないな」

ロバートは、昇り来る朝日に背を向けながら、

左手の指輪を海の方へ突き出した。

「モード・チェンジ!」

朝日より輝く光が、海面に反射し、

まるで…もう1つの朝日のようだ。

「召喚!」

光の中から走り出たサーシャは、指に挟んだカードに叫ぶ。

「ウェイブライダー!」

しばらく海の中、浅瀬を走っていたサーシャは、

空間を切り裂いて、現れたウェイブライダーに飛び乗る。

サーフボードのように、海面を疾走するサーシャ。

右手を一振りすると、ドラゴンキラーが装着される。

「ウオオオ!」

獣のような雄叫びを上げながら、海を渡るサーシャの目の前に、

無数の水柱が上がり、何十匹もの…身長百メートルは、あろうかという…海蛇が襲いかかり、

海中からは、食人飛び魚の群れが、飛びかかってきた。

サーシャは、1人奮闘する。

「グラビティ・ブレイド」

だが、1人ではなかった。

サーシャの装着しているドラゴンキラーが黒光りし、

妙な重さを感じさせて、威圧感を増す。

頭上から、一振り凪ぎ払っただけで、

海は裂け、

まるで…モーゼの十戒のように、海に道ができた。

その中を、サーシャは駆け抜けていく。
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