天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
堕ちた女神
あたしが脱走して、数日が経った。
すぐに追っ手が来るかと思われたが、
誰とも遭遇することなく、魔界を抜けることができた。
ついこの前まで、魔界を出るのに、数秒くらいだったのに…今は、丸五日はかかっていた。
途中、雑魚の魔物に会ったが、チェンジ・ザ・ハートを使い、何とか倒すことに、成功した。
血を飲めば、力は回復するだろう。
しかし、あたしはそれをしなかった。
雑魚に苦戦するという屈辱よりも、今の自分の弱さを恥じた。
魔界は、城から離れると殆どが緑で覆われており、木の実や果物が溢れていた。
あたしは、それを食らいながら、魔界の出入口を目指した。
実は、あたしを探す追っ手は出ていたのだが、
まさか、あたしが女神の肉体を手放しているとは思っていなかったようだ。
天空の女神は、もうとっくに魔界を離れ、人間界に潜り込んでいると思われていた。
だから、捜索隊は人間界に、放たれていた。
あたしが率いていた天空の騎士団がメインとなり、世界中のあらゆる空を飛び回っていた。
そんな中で、未だにあたしは、魔界を走っていた。
魔力を失ったあたしに、魔神達が気付くはずがなかった。
あれ程強力だった魔力が、なくなっていると誰が思おうか。
知性もない下等魔物と、戦いながら、あたしは幼き頃、お母様に教えて貰ったことを思い出していた。
それは、戦い方だ。
雑魚でも、一撃喰らったらへし折れそうな華奢な体でも、当たらなければいい。
(動きが見える!)
五メートルはある猿に似た魔物の機敏な動きも、あたしには読むことができた。
チェンジ・ザ・ハートをトンファーや槍に変えながら、巧みな動きで、あたしは魔物を仕留めた。
昔なら、指先で倒せた魔物を、頭を使い倒して行く。
この日々が、あたしを戦士として、成長させたけど、
そう心から思えるのは、随分後の話になる。
あたしが、肉体を失い、
その為融合した男と出会ってからだ。
すぐに追っ手が来るかと思われたが、
誰とも遭遇することなく、魔界を抜けることができた。
ついこの前まで、魔界を出るのに、数秒くらいだったのに…今は、丸五日はかかっていた。
途中、雑魚の魔物に会ったが、チェンジ・ザ・ハートを使い、何とか倒すことに、成功した。
血を飲めば、力は回復するだろう。
しかし、あたしはそれをしなかった。
雑魚に苦戦するという屈辱よりも、今の自分の弱さを恥じた。
魔界は、城から離れると殆どが緑で覆われており、木の実や果物が溢れていた。
あたしは、それを食らいながら、魔界の出入口を目指した。
実は、あたしを探す追っ手は出ていたのだが、
まさか、あたしが女神の肉体を手放しているとは思っていなかったようだ。
天空の女神は、もうとっくに魔界を離れ、人間界に潜り込んでいると思われていた。
だから、捜索隊は人間界に、放たれていた。
あたしが率いていた天空の騎士団がメインとなり、世界中のあらゆる空を飛び回っていた。
そんな中で、未だにあたしは、魔界を走っていた。
魔力を失ったあたしに、魔神達が気付くはずがなかった。
あれ程強力だった魔力が、なくなっていると誰が思おうか。
知性もない下等魔物と、戦いながら、あたしは幼き頃、お母様に教えて貰ったことを思い出していた。
それは、戦い方だ。
雑魚でも、一撃喰らったらへし折れそうな華奢な体でも、当たらなければいい。
(動きが見える!)
五メートルはある猿に似た魔物の機敏な動きも、あたしには読むことができた。
チェンジ・ザ・ハートをトンファーや槍に変えながら、巧みな動きで、あたしは魔物を仕留めた。
昔なら、指先で倒せた魔物を、頭を使い倒して行く。
この日々が、あたしを戦士として、成長させたけど、
そう心から思えるのは、随分後の話になる。
あたしが、肉体を失い、
その為融合した男と出会ってからだ。