天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「これは!?」
九鬼は地図を持つ手とは、別の手で飛んできたものを受け取った。
「月の女神からの贈り物です。この世界で、あなた様が戦いやすいように、あなた様に合った力をご用意致しました」
男はまた、頭を下げた。
九鬼の手にあるのは、黒い眼鏡ケース。
「乙女ケースだと!?」
それは、九鬼が出演しているテレビ番組のアイテムだった。
男はにやりと笑うと、
「できるかぎり…あの番組の力を再現しております。それに、そのケースは中にある月の力を、封印する役割もしておりますれば…」
「悪趣味な!」
男の説明の途中で、顔をしかめた九鬼は再び歩き出した。
「あ、あのお~まだ解説は終わっていませんが」
呼び止める男に、九鬼は振り返ることなく、
「それが、あれを再現しているならば…聞く必要はない」
九鬼は、乙女ケースを握り締め、
「大方…テレビのヒーローが実在したみたいな…客寄せパンダにしたいんだろ?」
「客寄せパンダとは…卑下し過ぎですよ」
男は九鬼の背中に、笑顔を向け、
「民衆は、ヒーローを求めています。テレビのヒーローが、実際に魔と戦っている!さすれば、人々のテンションも上がること間違いなし!」
突然、楽しそうに話す男に、九鬼は軽い目眩を感じたが、首を振って何とか落ち着かせた。
「まあ…いいわ。こっちの方が扱い易いし」
九鬼は、乙女ケースを握り締めた。
この世界で力を使う為に必要な契約などのルールは、実世界から来た九鬼には、馴染まなかった。
(もし…番組と同じ力が使えるなら…)
恐れるものはなかった。
(戦える!)
目を閉じ、乙女ケースを抱き締めようとした時、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
目を見開いた九鬼は、辺りに気を配った。
(近い!)
地図をスカートのポケットに、ねじ込むと、滑り台の裏から、飛び出した。
「頑張って下さい」
男はまたまた、頭を下げた。
九鬼は地図を持つ手とは、別の手で飛んできたものを受け取った。
「月の女神からの贈り物です。この世界で、あなた様が戦いやすいように、あなた様に合った力をご用意致しました」
男はまた、頭を下げた。
九鬼の手にあるのは、黒い眼鏡ケース。
「乙女ケースだと!?」
それは、九鬼が出演しているテレビ番組のアイテムだった。
男はにやりと笑うと、
「できるかぎり…あの番組の力を再現しております。それに、そのケースは中にある月の力を、封印する役割もしておりますれば…」
「悪趣味な!」
男の説明の途中で、顔をしかめた九鬼は再び歩き出した。
「あ、あのお~まだ解説は終わっていませんが」
呼び止める男に、九鬼は振り返ることなく、
「それが、あれを再現しているならば…聞く必要はない」
九鬼は、乙女ケースを握り締め、
「大方…テレビのヒーローが実在したみたいな…客寄せパンダにしたいんだろ?」
「客寄せパンダとは…卑下し過ぎですよ」
男は九鬼の背中に、笑顔を向け、
「民衆は、ヒーローを求めています。テレビのヒーローが、実際に魔と戦っている!さすれば、人々のテンションも上がること間違いなし!」
突然、楽しそうに話す男に、九鬼は軽い目眩を感じたが、首を振って何とか落ち着かせた。
「まあ…いいわ。こっちの方が扱い易いし」
九鬼は、乙女ケースを握り締めた。
この世界で力を使う為に必要な契約などのルールは、実世界から来た九鬼には、馴染まなかった。
(もし…番組と同じ力が使えるなら…)
恐れるものはなかった。
(戦える!)
目を閉じ、乙女ケースを抱き締めようとした時、どこからか悲鳴が聞こえてきた。
目を見開いた九鬼は、辺りに気を配った。
(近い!)
地図をスカートのポケットに、ねじ込むと、滑り台の裏から、飛び出した。
「頑張って下さい」
男はまたまた、頭を下げた。