天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
先日、王国の外壁を破壊されたことにより、

アステカ王国は幾重にも結界を重ね、アルテミアの力も計算して、強固に防御壁を張り直したばかりだった。


「フン!」

アルテミアは鼻を鳴らすと、

「今のあたしに、こんな結界など意味がない」

一歩前に出た。

自分の肉体を取り戻したアルテミアは、女神本来の力を発揮できた。

そして、そんなアルテミアの前には、自分の肉体を失った女が1人。


「落とし前をつけて貰う!」

アルテミアの手に、ライトニングソードが握られた。



「さ、させるか!」

ソリッド達は、アルテミアに向けて手を突きだした。

「フン!」

アルテミアは、ライトニングソードを一振りした。

目に見えない光や空間すら切り裂くライトニングソードは、ソリッド達が放ったサイコキネッシスを切り裂いた。

「え?」

ソリッド達には、自ら放ったサイコキネッシスの軌跡を見ることはできない。

ただアルテミアが、ふっ飛ばなかったのがわかった。

アルテミアは回転し、二撃目を放った。

「ライトニングアーム!」



「うわああ!」

ソリッド達の全身が一瞬、電気の網で絡まっているのが光ってわかったが、

すぐに消えた。

と同時に、ソリッド達は気を失った。



「ソリッド!」

崩れ落ちるソリッド達の様子に、ジェーンは愕然とした。

アルテミアは、ライトニングソードを突きだしながら、ジェーンとの距離を詰めていく。

「終わりだ!」

「いや!」

ジェーンは、両手を突きだした。

ソリッド達全員の力よりも、協力なサイコキネッシスが放たれたが、

簡単に切り裂いた。

「死にたくなっていた癖に、いざとなると、怖いのか!」

とめどもなく放たれる念動力に、アルテミアは切るのを止めた。

ライトニングソードを突きだすと、まるで岩が川の流れを変えるように、切っ先から左右に拡散させた。




「終わりだ」

アルテミアは、ジェーンの目の前まで来ると、下から蹴りを放ち、両腕を突き上げると、一瞬で後ろに回った。

そして、ジェーンの首筋に刃を突きつけた。

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