天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「な!何が起こった?」

気絶していたソリッド達が気付いた時、

玉座の間の壁は穴があき、部屋は見るも無残な姿になっていた。

「何があった?」

状況が理解できないソリッド達が、立ち上がった時、

彼らは部屋の中央にいる…漆黒の闇の存在に気付いた。

「まだいたか!」

ライの目が、ソリッド達をとらえた。

どうやら、先程の攻撃は、意識があった者だけに効果があったようで、気絶していたソリッド達には、効いていなかった。

「魔王!」

ソリッドは絶句した。


「ごめんなさい」

ソリッドの後ろから、女の声がした。

はっとして振り返ると、そこにはリンネがいた。

「どういうことだ!なぜ、魔王が!」

狼狽えるソリッドの耳に、リンネの囁くような声が聞こえた。

「王は、決められたの…。人という種を滅ぼすことを」

リンネはクスッと笑い、

「王の決定には、逆らえない」

「話が違う!」

「…あなたのような人間嫌いじゃなかったわ」

リンネは微笑みながら、消えた。



「死ね!」

ライの指から、光の矢が放たれた。



「させない!」

ソリッド達の前に飛び出したジェーンが、両手を突きだし、バリアをつくった。

「ジェーン様!」

ソリッドが叫んだ。


「ほお」

ライは少し感心した。

「さすがは、王女。先程の攻撃を防いでいたか…。しかしな」



「え」

光の矢は、いとも簡単にバリアを突き抜けると、

ソリッド達に突き刺さった。


「そ、そんな…」

ジェーンの右肩にも、矢が突き刺さっていた。

崩れ落ちるジェーン。



「馬鹿な…」

ソリッドの全身にも、無数の矢が突き刺さっていた。

他の戦士達は、絶命していた。

倒れそうになるソリッドの目が、部屋の角で倒れているカルマを見つけた。

「カルマ…」

今のソリッドには、カルマが生きているのか、死んでいるのかわからない。


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