天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
それから…

九鬼は多くの事を知った。

闇を狩る九鬼の前に立つ…異形の者。


魔と闇は違う。

魔は、人とは違う種。

闇は…生き物ではない…人の心に巣食うと。



闇と戦う日々…そして、人としての感覚を取り戻す日々の中で、九鬼は赤星綾子に会った。

彼女の孤独を映す瞳は…九鬼と似ていた。

大切な人に、置き去りにされたような…悲しみ。

だから、年が離れていたも、2人は共鳴した。

しかし、魔獣因子が目覚めてからの綾子とは、一度しか会う事はなかった。

深く話すことはできなかったが、時間さえあれば…お互いを理解したはずだ。



九鬼は、その綾子を殺した相手を追って、異世界まで来た。

ブルーワールドの月の女神に導かれて…。


その世界では、九鬼の力が使えなくても…。

使えなくても…。




そのはずだった。



しかし、今…

九鬼の手には乙女ケースがあった。

この世界にないはずのものが…。


運命が加速する。



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