天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「何だと?」

凄まじい光の中に、さらに光が生まれ、

それは、サラに向かってくる。

「チッ」

サラは左手も前に出し、両手で光を受け止める。

「フン!」

光の中、気合いが響く。

跳ね返ってきた電撃は、光を切り裂く刃に変わる。

「グラビティ・ブレイド」

サラの手のひらから、肩…腰にかけて、赤い線が走り…

やがて…。

「な」

血飛沫が、上がった。

サラの足元に、ドラゴンキラーを振り下ろしたサーシャが、腰をかがめていた。

エメラルドグリーンの髪が風圧でふわっと上がり、サラの目の前に毛先が漂う。

「エメラルドフラッシュ!」

髪の毛が、落ちるよりも早く、

ドラゴンキラーの切っ先を突き上げるように、サーシャは立ち上がる。

「なめるな!」

ドラゴンキラーが、首筋に刺さる瞬間、

サラは猛スピードで、空中へ飛び上がる。

蝙蝠の羽を広げ、空中に浮かびながら、サラはサーシャを見下ろす。

「我が魔力を、吸収しただと!」

真下から、サラを見上げるサーシャの体を、まじまじと観察して、

「魔力が上がったとか…そんなレベルではない」

サラは、自分の体についた傷を見て、怒りで全身を震わせた。

「根本的な…何かが、変化している」
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