天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
黄色の戦闘服を着た女が、店内に現れた。

「え」

目を見開く男の子に、乙女イエローになった女が近づき…微笑んだ。

「あなたも、絵本に載るかしら?」

女は堪らなくなり、満面の笑みになり、

「ヒーローに倒される…悪人としてえええええええ!」

そのまま…

男の子の頭を踏みつぶした。

脳漿と血が舞う。




「乙女ソルジャー…」

致命傷を受けたが、まだ意識のある木村は…男の子を殺した女を見た。



「本当は、月影のことは秘密なんだけど…いいじゃん!見たやつ!知ったやつを殺したら!」

女の周りに、いつのまにか…数えきれない程の包丁が浮かんでいた。

「乙女包丁!雨だれ!」

そして、包丁は店内で足を切られ、動けなくなっている人々に向かって、刃から降り注いだ。


ぎゃあああっ!



断末魔の叫びが、店内に鳴り響いた。


「この能力…最高!」

人々に何度も、包丁を突き立てながら、女は腹をよじって、笑い転げた。



「うん?」

妙な光を、視界の隅にとらえた女は、新たな包丁を召喚したが、

一瞬で切り取られた。

「チッ!」

舌打ちすると、女は後方にジャンプした。

包丁を切ったのは、飛来した光のリングだった。

回転しながら、光のリングは逃げる女を追ってくる。

「ホバーリング機能か!」

女は逃げるのをやめると、近づいてくる光のリングを睨んだ。




「クッ!」

女は顔をしかめた。

血飛沫が飛び…光は消えた。

「…なるほど」

女はフッと笑った。

「生身の相手を切らないと、消えないのか…」

手に持っていた女の店員を、投げ捨てた。

イエローになった女は、店員の返り血を浴びた顔を拭った。

とっさに、店員を盾にしたのだ。

「乙女ソルジャーか」

女は、光のリングの軌跡を目でトレイすると、

テレポートした。

「やはり!」

女は店を出ると、路地裏に身を潜めている者を確認した。

「乙女ソルジャー!」

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