天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「赤星浩一!?」

カレンは思いがけない人物の名に、驚いた。

あったことはないが、

自分が戦わずに逃げた存在である…炎の女神を、一撃で倒した男。


そして、数ヶ月前までは…人類の希望だった男。



「私は、確かめなければならない。フレアが守る者を!もしかしたら…その者こそが、人類を守る救世主になるかもしれない」

ジャスティンは、ブラックカードを取り出した。

今にも、テレポートしそうなジャスティンを、カレンは慌てて止めた。

「ち、ちょっと待って!だとしたら、あんたはそいつをどう思っているのよ」


ジャスティンはフッと笑い、

「魔王の血筋」

とこたえた。


「そ、それじゃ〜!そいつは、もしかして…」

カレンが核心の言葉を口にしょうとした時、

屋上の扉が開き、

黒いマスクを被った男達が、入ってきた。

「カレン…」

驚き、振り返ったカレンに向けて、ジャスティンは消える前に、言葉をかけた。

「月影の件は、頼む。こいつらは、人間だから…殺すなよ」

「まだ話の途中だ!」

カレンは、男達を睨みながは、後ろに向かって叫んだ。


「最後に…この学校に、九鬼真弓という生徒がいる。彼女を味方につけろ!いいな。彼女なら、お前の足りないところを補ってくれるはずだ」

ジャスティンはそう言うと、屋上からテレポートした。




「弟子を置いていきやがった!あの馬鹿師匠!」

カレンは毒づくと、男達を睨んだ。

黒いマスクを被った男の1人が、カレンに向かって言った。

「おとなしく、お前の持つ乙女ケースを渡せ!さもなくば…痛い目を見るぞ!」


男の言葉に、カレンは鼻を鳴らした。

「フン!雑魚が、雑魚らしい台詞を吐きやがって!お前らごときに、わたしがやられるか!」

カレンは胸元から、ペンダントを取り出し、ピュアハートを召喚しょうとした。


「クッ!」

しかし、カレンは躊躇ってしまった。

ペンダントを握り締め、少し動きが止まったカレンの頭上から、誰かが飛びかかってきた。
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