天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
そして、ジャスティンは一歩前に出ると、サラとギラを見据え、きいた。

「お前達は、魔王と同じ波動を発している者を…どうとらえているんだ?」



ジャスティンの質問に、サラはフッと笑い、

「それは、こちらもききたいな。お前はどう思っている」

質問を返した。

ジャスティンも笑うと、言葉を発した。

「魔王であるはずがない。そして、アルテミアでもない。だとすれば…可能性は一つ!」

サラとギラは、ジャスティンをじっと見つめ、次の言葉を待った。

「アルテミアの子供」

ジャスティンの確信に満ちた言葉に、サラは目を瞑った。

「馬鹿な…アルテミア様の子供など…」

ギラは目を見開き、少し狼狽えてみせた。

彼も心の奥では、その可能性を考えていたが、

他人に言われるのとは違う。


「やはり…その可能性が、高いか…」

サラは目を開け、ジャスティンを見た。

「ああ…」

ジャスティンは頷いた。

「だ、だとすれば…あ、相手は!?」

まだ狼狽えているギラに、冷たい視線をサラは送りながら、呆れるように言った。

「決まっているだろが」



「や、やはり…」

ギラは認めたくないのか…口ごもった。




「彼と、アルテミアの子なれば…その力は、もしかしたら、魔王をも上回るかもしれない」

「!?」

ジャスティンの言葉に、サラとギラはお互いの目を見合った。

そして、そのまま…2人はジャスティンに視線を戻した。


「そして…そこからが、問題だ」

ジャスティンは体の力を抜き、自然体で構えた。

「その子をどうするのかだ」

ジャスティンの雰囲気の変化に、サラは鼻を鳴らした。

「是非もない!我らが、育て!次の王として、お迎えする」

ギラは拳を突きだし、力説した。

拳を握りしめるだけで、魔力が溢れ、

並みの魔物なら、すくみ上がってしまうだろうが、

ジャスティンは違った。

「させるかよ」

さらに、前に出た。
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