天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「どこだ?」

召還した魔物探索レーダーが、数え切れない程の魔物の反応を、示していた。

多分、そこに赤星がいる。

ロバートは、確信していた。

しかし、彼の前にも、ゴブリンの群が、道を塞いでいた。

「雑魚が」

ロバートは、左手にはめた指輪を突き出した。

「モード・チェンジ」

指輪から、エメラルドグリーンの光が溢れ、光の中から、サーシャが姿を現す。

右手を一振りすると、ドラゴンキラーが、装着される。

ゴブリン達が、女であるサーシャを見て、興奮の雄叫びを上げる。

「フン」

サーシャは鼻を鳴らし、軽くステップを踏むように、回転すると、

風圧で、雄叫びを上げたゴブリン達の首が、飛ぶ。

倒れる仲間達に、驚き、ゴブリン達は、少し後退りする。

サーシャは、空を見上げた。

この世のものとは、思えない…紫の空を睨み、呟いた。

「赤星」




「ぐぇぇ!」

魔物の群の奥から、怖じ気づいたゴブリンを、切り裂きながら、

十人の鎧を纏った騎士が、現れた。

体つきは、人に似ているが、顔は、ドラゴンだ。

2本の長い髭が、怪しく動いている。

ドラゴンナイト。

竜を人型にし、パワーアップした化け物だ。

「やれやれ」

サーシャは肩をすくめ、ドラゴンキラーを構えた。
< 141 / 1,566 >

この作品をシェア

pagetop