天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「馬鹿が…」

ギラは避けることもせず、僕の振るった槍を、腹で受け止めた。

「あれ?」

雷鳴の爆発と、風の切り裂きをミックスした、アルテミアの女神の一撃。

僕が振るったチェンジ・ザ・ハートは、何も起こすことなく、

単に、槍を突き出しただけに終わった。

「この技は、天空の女神にしか使えない…それに」

ギラは、チェンジ・ザ・ハートを握った。

「お主は、空の属性ではあるまいて」

ギラの手から、電流が流れ、

チェンジ・ザ・ハートを伝って、僕に流れた。

体が痺れ、思わず、手を離す。

尻餅をついた僕を、見下ろしながら、ギラはチェンジ・ザ・ハートを振るった。

「これは、女神専用の武器。お主には、扱えん」

そう、ギラが言った瞬間、チェンジ・ザ・ハートは弾け、ギラの手から離れると、

トンファータイプになり、僕の両腕に、装着された。

「な、なぜだ?なぜ、そやつのもとに、戻る」

両腕についたチェンジ・ザ・ハートを確認しながら、

僕は立ち上がった。

「お、お主は、何者だ」

ギラの戸惑いが、わかる。


鴉天狗や、ゴブリン達が、再び一斉に、僕に襲いかかる。

「僕は、赤星浩一!異世界から来た戦士だ」

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