天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
地面から突き上げるように、全身をバネにした掌底は、
カルマの顎先を突き上げた。
普通の人間なら、脳が揺れるはずだ。
しかし、乙女ソルジャーになっているカルマは、
平然と笑うと、攻撃直後の無防備な九鬼の腹に、膝蹴りを喰らわした。
「クッ!」
全身が浮き上がる程の蹴りを受け、
一瞬、
九鬼の意識が飛んだ。
そんな無防備な状態の九鬼に、
振り上げたハンマーの軌道を変えると、
横合いから、九鬼の脇腹目掛けて、叩き込んだ。
くの字に曲がった九鬼の体が、礼拝堂の端から端までぶっ飛んで、
反対側の壁に激突した。
「うう…」
一瞬、壁にへばりついたようになった九鬼が、床に落ちると、
血がべったりと、へこんだ壁についていた。
「終わったな」
カルマはハンマーを消すと、今度はライフルを九鬼に向けながら、ゆっくりと近寄っていく。
「後は、乙女ケースを回収すれば」
ライフルを九鬼のこめかみに向け、
気絶したと思われる九鬼の体から、乙女ケースを探そうとしたが、
カルマは眉を寄せ、
「やはり、とどめをさしてから」
しゃがむ前に、引き金を引いた。
銃声が、礼拝堂に響いた。
しかし、
ライフルから放たれた銃弾は、
九鬼に当たることはなかった。
弾丸は、天井近くの壁を撃ち抜いていた。
突然、顔を反らしながら、起き上がった九鬼は、
肩を突きだし、ライフルの銃身を跳ね上げると同時に、
痛めてるはずの足で、カルマを蹴り上げた。
「ククク…」
その様子を、いつの間にか礼拝堂の奥に現れた…タキシードの男が、見ていた。
「ついに、始まる」
立ち上がった九鬼の目には、生気がない。
しかし、ぞっとするような鋭さを放っていた。
そして、九鬼は右手を突きだした。
そこには、黒い…乙女ケースが。
いや、黒よりも黒い…闇色のケースが、握られていた。
「装着…」
覇気のない声を、九鬼が発すると、
彼女の後ろに、
もう1人の九鬼が出現した。
カルマの顎先を突き上げた。
普通の人間なら、脳が揺れるはずだ。
しかし、乙女ソルジャーになっているカルマは、
平然と笑うと、攻撃直後の無防備な九鬼の腹に、膝蹴りを喰らわした。
「クッ!」
全身が浮き上がる程の蹴りを受け、
一瞬、
九鬼の意識が飛んだ。
そんな無防備な状態の九鬼に、
振り上げたハンマーの軌道を変えると、
横合いから、九鬼の脇腹目掛けて、叩き込んだ。
くの字に曲がった九鬼の体が、礼拝堂の端から端までぶっ飛んで、
反対側の壁に激突した。
「うう…」
一瞬、壁にへばりついたようになった九鬼が、床に落ちると、
血がべったりと、へこんだ壁についていた。
「終わったな」
カルマはハンマーを消すと、今度はライフルを九鬼に向けながら、ゆっくりと近寄っていく。
「後は、乙女ケースを回収すれば」
ライフルを九鬼のこめかみに向け、
気絶したと思われる九鬼の体から、乙女ケースを探そうとしたが、
カルマは眉を寄せ、
「やはり、とどめをさしてから」
しゃがむ前に、引き金を引いた。
銃声が、礼拝堂に響いた。
しかし、
ライフルから放たれた銃弾は、
九鬼に当たることはなかった。
弾丸は、天井近くの壁を撃ち抜いていた。
突然、顔を反らしながら、起き上がった九鬼は、
肩を突きだし、ライフルの銃身を跳ね上げると同時に、
痛めてるはずの足で、カルマを蹴り上げた。
「ククク…」
その様子を、いつの間にか礼拝堂の奥に現れた…タキシードの男が、見ていた。
「ついに、始まる」
立ち上がった九鬼の目には、生気がない。
しかし、ぞっとするような鋭さを放っていた。
そして、九鬼は右手を突きだした。
そこには、黒い…乙女ケースが。
いや、黒よりも黒い…闇色のケースが、握られていた。
「装着…」
覇気のない声を、九鬼が発すると、
彼女の後ろに、
もう1人の九鬼が出現した。