天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
下校途中、本屋に立ち寄ったあたしは、マイバイブルというべき、本を取った。

バイブルのタイトルは、


こういう女は、嫌われるだ。

「何何……飲み会時における……」


あたしは、本を閉じ、棚に戻した。

残念なことに、大体は社会人になってからで、

高校生編はない。

「だけど…使えることは、使うわ!」

棚にあるシリーズものは、あらかた目を通した。

よく考えると、そんな本を読んで、ガッツポーズをとっている女子高生は、異様である。


「もっと、しつこく〜ねちっこく、お局のように〜」

どうやって実戦するのか、考えて、棚から離れると、


なんと!

中島はいるではないか! 

あたしは思わず、後退りしたが、歯を食い縛り、踏み止まった。



(あ、あたしは…もう何度も、中島と話してるし…お、同じクラスよ!)

自分を奮い立たせ、あたしは中島の後ろから、声をかけようとして、

目を丸くした。


中島は、グラビアアイドルの写真集を手にしていたのだ。

だけど…それくらいで、怯むあたしではない。

男なんだから、当たり前よ。

だけど、だけど……。

中島が、手にしていたアイドルは!


あたしは、敗北感を味わい、逃げるように、本屋から飛び出した。



次の日、いつものように生徒会の議事録を確認している九鬼の前に、あたしは座ってきいた。

「男って……胸が大きい方がいいのか!スイカぐらいあったらいいのか?」


あたしの質問に、九鬼は教科書から顔を上げ、

「よくは、わからないが…。一番は、中身ではないのか」

そう言う九鬼の胸が…スイカであることに気付き、

あたしは、がくっと肩を落とした。
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