天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
優を連れて、戦線から離脱した九鬼。
乙女ブラックの足を最大限に使い、一気に町の端まで来た。
結界がある為、そこから向こうには行けない。
一応、結界に蹴りを叩き込んだが、ビクッともしない。
九鬼は、結界のそばに優をおろした。
胸に穴が空いた優に手を当て、ムーンエナジーを流し込むが、穴を塞ぐことはできない。
「無駄ですよ」
後ろから声がした。
「彼女は負け…月影の力を失いました。そして、心の底で敗北を認めたのです」
九鬼はその声を無視して、ムーンエナジーを注ぎ続けた。
「この戦いに参加した者の運命は、勝利か…敗北のみ。そして、敗者には死を」
優の体が消えていく。
まるで、ムーンエナジーと同化するように…。
九鬼ははっとして、かざしていた手を離した。
しかし、優の消滅は止まらない。
「高木さん!」
九鬼の叫びも虚しく、優は…消滅した。
「クッ」
九鬼は顔をそらした。
そして、ゆっくりと立ち上がると、踵を返し、
再びもと来た道を引き返そうとした。
「どこにいく…おつもりですかな?今のあなたが行っても、乙女ブラックの力を奪われ、殺されるだけですよ」
先程から声をかけていたのは、タキシードの男だった。
「クッ!」
九鬼は唇を噛み締め、一度は足を止めたが、すぐに立ち去ろうとした。
そんな九鬼の背中に、タキシードの男が叫んだ。
「闇を受け入れるんです!」
九鬼はジャンプしょうとした体勢で、動きを止めた。
「闇を切り裂く刃ではなく…闇で切り裂く刃となるのです!さすれば、あなたは!」
「チッ」
九鬼は、動きを止めてしまった己に舌打ちすると、月に向かってジャンプした。
アルテミアと戦う為に。
「チッ」
今度は、タキシードの男が舌打ちした。
「どこまでも愚かな女よ」
もう見えなくなった九鬼の背中を睨み、
「おのれえ〜!九鬼才蔵!貴様に育てられた為にいい!」
タキシードの男は苦々しく、唇を噛み締めた。
乙女ブラックの足を最大限に使い、一気に町の端まで来た。
結界がある為、そこから向こうには行けない。
一応、結界に蹴りを叩き込んだが、ビクッともしない。
九鬼は、結界のそばに優をおろした。
胸に穴が空いた優に手を当て、ムーンエナジーを流し込むが、穴を塞ぐことはできない。
「無駄ですよ」
後ろから声がした。
「彼女は負け…月影の力を失いました。そして、心の底で敗北を認めたのです」
九鬼はその声を無視して、ムーンエナジーを注ぎ続けた。
「この戦いに参加した者の運命は、勝利か…敗北のみ。そして、敗者には死を」
優の体が消えていく。
まるで、ムーンエナジーと同化するように…。
九鬼ははっとして、かざしていた手を離した。
しかし、優の消滅は止まらない。
「高木さん!」
九鬼の叫びも虚しく、優は…消滅した。
「クッ」
九鬼は顔をそらした。
そして、ゆっくりと立ち上がると、踵を返し、
再びもと来た道を引き返そうとした。
「どこにいく…おつもりですかな?今のあなたが行っても、乙女ブラックの力を奪われ、殺されるだけですよ」
先程から声をかけていたのは、タキシードの男だった。
「クッ!」
九鬼は唇を噛み締め、一度は足を止めたが、すぐに立ち去ろうとした。
そんな九鬼の背中に、タキシードの男が叫んだ。
「闇を受け入れるんです!」
九鬼はジャンプしょうとした体勢で、動きを止めた。
「闇を切り裂く刃ではなく…闇で切り裂く刃となるのです!さすれば、あなたは!」
「チッ」
九鬼は、動きを止めてしまった己に舌打ちすると、月に向かってジャンプした。
アルテミアと戦う為に。
「チッ」
今度は、タキシードの男が舌打ちした。
「どこまでも愚かな女よ」
もう見えなくなった九鬼の背中を睨み、
「おのれえ〜!九鬼才蔵!貴様に育てられた為にいい!」
タキシードの男は苦々しく、唇を噛み締めた。