天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「お母様の悪口!許さない!」

アルテミアは、バイラに飛びかかろうとする。

「フン」

バイラは、手のひらから、気合いを発し、アルテミアを吹き飛ばした。

地面に転がるアルテミアを、魔神達は悲しげな表情で見下ろす。

「母のように、なりたいのですか?」

「女神の力を捨て」

「非力な人間に成り下がり」


「黙れ!」

アルテミアは、フラフラと立ち上がる。

「モード・チェンジ!」

「無駄です」

サラの雷撃が、アルテミアを捉えた。

「きゃ!」

「アルテミア!」

僕は、初めてアルテミアの悲鳴をきいた。

「母のようになり…最後は、死にますか?」

ギラも雷撃を放つ。

「なぜ?人になりたい?」

バイラも雷撃を放つ。

魔神達が放つ雷は、ピラミッド状の結界となる。

アルテミアの体が、真ん中に浮かび、雷を受け続ける。

「魔王の娘でありながら…」

「せめて…天空の女神の餞に」

「我らの雷の中で、死んでください」


「アルテミア!」

僕の声も、アルテミアには聞こえなくなっていた。

「あたしは…」

アルテミアの瞳から、大粒の涙が流れた。

「お母様の娘…。お母様と同じ…人間…」


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