天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ガンスロンによって、破壊された学園内や周囲の住宅は、生き残った防衛軍によって、修繕された。
彼らが決戦の為に備蓄していた魔力の殆どが、民間の為に使われたのだ。
そして、それを指揮したのが、九鬼だった。
「生徒会長。学園の修繕は、殆ど終わりました。あとは、周囲の民間施設のみです」
屋上の端に立ち、一番被害が酷かった地区を見つめていた九鬼に、後ろから声がかけられた。
「周囲の方々を優先して下さい。学園は、なんとでもなりますから」
九鬼の言葉に、後ろに立つ美和子が頷いた。
「はい!」
九鬼に敬礼すると、屋上から出ていた。
「うん?」
美和子とすれ違い、カレンが屋上に姿を見せた。
突然の日差しに目を細めながら、九鬼に近づいてくる。
「このまま…ここの防衛軍の司令官になったら、どうなんだ」
カレンの言葉に、九鬼は苦笑した。
「あたしに、組織をまとめる力なんてありませんわ」
屋上の端から離れると、カレンのそばまで歩いて来た。
「お似合いだと思うけどな。こういうことは、本人は気付かないものさ」
カレンは、肩をすくめて見せた。
九鬼は、自然と微笑んだ。
そして、しばし互いを見つめた後、九鬼は口を開いた。
「もう行かれるんですか?」
九鬼の残念そうな声に、カレンは視線を九鬼から外した。
「仕方ないさ。自分の無力さを知ったからな。早くこの街っていう空間から離れて、過酷な自然の中で、修行しないとな…強くなれない」
拳を握り締め、悔しさを噛み締めるカレンの気持ちは痛い程理解できた。
「…あたしは卒業まで、この地区のケアに努めます。勿論、修行はします。あたしも、強くならないと」
九鬼も拳を握り締めた。
2人とも、人間のレベルから見たら、上位にいるだろう。
だが、彼女達が戦う相手は、神レベルなのだ。人間が勝てる相手ではない。
そんな相手に、挑もうとする2人の勇者。
彼らが決戦の為に備蓄していた魔力の殆どが、民間の為に使われたのだ。
そして、それを指揮したのが、九鬼だった。
「生徒会長。学園の修繕は、殆ど終わりました。あとは、周囲の民間施設のみです」
屋上の端に立ち、一番被害が酷かった地区を見つめていた九鬼に、後ろから声がかけられた。
「周囲の方々を優先して下さい。学園は、なんとでもなりますから」
九鬼の言葉に、後ろに立つ美和子が頷いた。
「はい!」
九鬼に敬礼すると、屋上から出ていた。
「うん?」
美和子とすれ違い、カレンが屋上に姿を見せた。
突然の日差しに目を細めながら、九鬼に近づいてくる。
「このまま…ここの防衛軍の司令官になったら、どうなんだ」
カレンの言葉に、九鬼は苦笑した。
「あたしに、組織をまとめる力なんてありませんわ」
屋上の端から離れると、カレンのそばまで歩いて来た。
「お似合いだと思うけどな。こういうことは、本人は気付かないものさ」
カレンは、肩をすくめて見せた。
九鬼は、自然と微笑んだ。
そして、しばし互いを見つめた後、九鬼は口を開いた。
「もう行かれるんですか?」
九鬼の残念そうな声に、カレンは視線を九鬼から外した。
「仕方ないさ。自分の無力さを知ったからな。早くこの街っていう空間から離れて、過酷な自然の中で、修行しないとな…強くなれない」
拳を握り締め、悔しさを噛み締めるカレンの気持ちは痛い程理解できた。
「…あたしは卒業まで、この地区のケアに努めます。勿論、修行はします。あたしも、強くならないと」
九鬼も拳を握り締めた。
2人とも、人間のレベルから見たら、上位にいるだろう。
だが、彼女達が戦う相手は、神レベルなのだ。人間が勝てる相手ではない。
そんな相手に、挑もうとする2人の勇者。