天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
大月学園から遠く離れた場所に、アルテミアはいた。


ガンスロンによって破壊された町が、修繕されていく様子を見つめながら、アルテミアは月影の力を集めた乙女ケースを握り締めていた。

「クッ」

アルテミアは顔をしかめた。

力を得る為とはいえ、アルテミアは人間を殺してしまった。


(あいつは…怒るだろうな)

アルテミアには、わかっていた。

しかし、綺麗事では強くなれない。


「例え…お前に嫌われ、お前と戦うことになったとしても…」

アルテミアは、乙女ケースを握り締めた。

「お前がいない世界なんて、堪えれない!」

頬に涙が流れた瞬間、アルテミアは翼を広げて飛翔した。

まるで、涙を隠すように。

月に向かって…ただ飛んでいった。






天空のエトランゼ

Dark Moon編

完。
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