天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「大体…戦士じゃない一般人のレベルは、5〜11。5以上で、日常生活魔法が使えるわ」

「じゃあ…僕は…」

「魔法は使えないし、ポイントゼロだから、ご飯も買えない」

僕はへなへなと、その場に崩れ落ちた。

「心配しなくていい。その辺の路地に入れば」

アルテミアに言われるまま、

僕は、コンビニとビルの間の路地に入った。

狭い路地は、コンビニやレストランや、何かのゴミ捨て場だった。

当然僕の世界のように、ゴキブリやネズミがいっぱいいる。

「ネズミは、無理ぽいから…ゴキブリを踏め」

アルテミアの言葉に、僕はギョッとなる。

「え!」

「早く、踏め。命令だ」

有無を言わせないアルテミアの口調に、

渋々、僕は…ゴギブリを一匹、踏み潰した。

(ポイント、ゲット!)

カードが鳴った。

1ポイントだが、ポイントがついた。

「害虫駆除も、仕事だ」

アルテミアは、そう言うと、

「1ポイントでもあれば、いける!叫べ!モード・チェンジと」

「モード・チェンジ!」

やけくそ気味に、僕は叫んだ。

光が包み、

「ヴィーナス!光臨」

僕は、アルテミアに変わった。

その瞬間、

カードのレベル表示は、一気に、108に跳ね上がった。
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