天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「何だよ」
廊下に出た僕の左腕を、無理矢理掴んだ明菜は、一瞬だけニコッと微笑むと、
後は、強引に僕を引っ張って、歩き出す。
「どこ行く気だよ!俺は、いくところがあるんだよ」
僕は、手を振り払おうとしたけど、結構明菜の腕力が強い。
「すぐ終わるから」
明菜は、前を向いたまま、引っ張る僕の顔を見ようともしない。
「職員室に、指輪を取りに行かなくちゃならないんだよ」
「指輪!?」
明菜はいきなり、足を止めると、僕に振り返った。
その表情は、驚きと…
どこか怯えがあった。
「指輪って…」
明菜は、掴んでいる僕の左腕を見つめ、
ゆっくりと、僕の腕を上げた。
手の甲…薬指を見ようとして、
「嫌!」
反射的に、腕を離し、廊下にうずくまった。
「明菜!」
驚き、両手で顔を覆う明菜に、どうしていいのかわからずに、オロオロしている僕の後ろから、声がした。
「沢村君。どうしたの?」
ただオロオロしている僕の横をすり抜け、男子生徒が、明菜に駆け寄った。
しゃがみ込み、明菜に話しかける。
「大丈夫か?」
廊下に出た僕の左腕を、無理矢理掴んだ明菜は、一瞬だけニコッと微笑むと、
後は、強引に僕を引っ張って、歩き出す。
「どこ行く気だよ!俺は、いくところがあるんだよ」
僕は、手を振り払おうとしたけど、結構明菜の腕力が強い。
「すぐ終わるから」
明菜は、前を向いたまま、引っ張る僕の顔を見ようともしない。
「職員室に、指輪を取りに行かなくちゃならないんだよ」
「指輪!?」
明菜はいきなり、足を止めると、僕に振り返った。
その表情は、驚きと…
どこか怯えがあった。
「指輪って…」
明菜は、掴んでいる僕の左腕を見つめ、
ゆっくりと、僕の腕を上げた。
手の甲…薬指を見ようとして、
「嫌!」
反射的に、腕を離し、廊下にうずくまった。
「明菜!」
驚き、両手で顔を覆う明菜に、どうしていいのかわからずに、オロオロしている僕の後ろから、声がした。
「沢村君。どうしたの?」
ただオロオロしている僕の横をすり抜け、男子生徒が、明菜に駆け寄った。
しゃがみ込み、明菜に話しかける。
「大丈夫か?」