天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「あんたに教えてあげる」

アルテミアは片手で、カードをヒラヒラさせながら、

「この世界は…」

アルテミアが、路地を出て真っ直ぐ向かった場所は…。

勢いよく、ドアを開け、

アルテミアは、店に入った。

「いらっしゃい!」

「ポイントよ」

いかついお兄さん達が、ひしめき合う店内。

ポイント高利貸し。

ほのぼのポイント。

店内にいた人々は、アルテミアを見て、凍り付く。

そんな人々を気にもせず、アルテミアは店の一番奥のカウンターに向かうと、

一番仕立てのいい紺のスーツを着た男の前で止まった。

カウンタールに肘をつけ、アルテミアは告げた。

「ポイント。百万」

責任者と思われる男は、ひきつりながらも、

「ここは…一般の方向けの…」

アルテミアは、少し笑うと、

その男を睨んだ。

「人生…」

アルテミアは、店内を見回し、

「短かったねえ〜ご苦労様」

その言葉をきいた男は、深々と頭を下げ、

「き、今日は、六十万しかありません」

「六十万〜しけてるなあ〜」

「あのお…大体…普通の社会人で、1ヶ月…1000ポイントかと…」

にこっと笑った後、アルテミアはテーブルを手刀で、軽く真っ二つにし、

「御託はいいんだよ」


震え上がる男に代わって、

「あのお…これは酷いかと…」

僕が口を挟むと、

「じゃあ…てめえ。ゴギブリ、百万匹殺すんだな」

アルテミアはドスのきいた声で、僕に向かって言った。



絶対…無理だった。

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