天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ただ机が並んだ…普通の教室と変わらない

部室とは名ばかりの演劇部のたまり場。

南校舎…別名クラブハウスの一階の一番奥に、演劇部はあった。

日差しのあたらない暗い一角は、じめじめしており、そこにいると、気分は晴れなかったけど、

いつまでも、めげてる場合でもなかった。

演劇部の前は、お笑い研究部や、漫研があり、暗そうだけど、妙な明るさがあった。




「ただのマニアの集まりなだけよ」

軽く肩をすくめて、如月里緒菜は、今の状況にも呆れていた。

「何か言ったか?如月」

机の上で、胡座をかきながら、美奈子は、新聞を畳んで、見ていた。

(おっさんか…)

美奈子の格好を見て、里緒菜は心の中で、毒づいた。

里緒菜の真正面にいる為、

(パンツが見えてるし)

顔をしかめた里緒菜に、美奈子はフッと笑った。

「心配はいらん。今ここには、女しかおらん」

まるで、里緒菜の心を読んだような美奈子の言葉に、

里緒菜は目を丸くした。

「た、確かに…」

里緒菜は、周りを見回した。

部室にいる6人は、みんな…女だ。

そして、みんな…

机の上にいた。
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