天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
今回、演劇部は明菜の提案により、初のファンタジーものをやることになった。

予算無視の無謀な案だったけど、

明菜いわく、

「ファンタジーに詳しいというか…ファンタジーみたいな体験をしてる子を知ってるんです!」

と訳がわからないことをいわれ、

脚本とかもすべてやるからと、強引に押し切られ…

今日は仕方なく、そのファンタジーみたいな体験をしてる子を連れてくるから、

話だけでもと、集められたのだ。

「これは、ファンタジーの呪いだ」

真剣に、里緒菜の目を見ながら言う美奈子に、

里緒菜はさらに、ため息をつき、

「単に!雨が酷いか!学校が、ボロいだけでしょ!」

机の上に、非難している自分自身が情けなく、泣きたい気分になっていた。

「里緒菜…何か変だよ」

窓から、机の上を飛び跳ねながら、里緒菜の隣の机まで来た香里奈は、眉をひそめながら、窓や、机の下を見た。

「何が?」

ファンタジーものということで、人数もいるし、興味があるということで、エキストラとして、香里奈は今回、参加する為に、部室に来ていた。

その気持ちは、里緒菜は嬉しかった。

だけど…。
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