天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
僕が目を見開いた瞬間、熱いものが僕の体を包み、

井田達を吹き飛ばし、足下から水蒸気が、煙のように立ち上る。

そして、空間をぶち破り、部室の黒板の中から…迫り来る生徒達の後ろから、

回転する2つの物体が、現れ、生徒達と、海童をなぎ倒す。

「馬鹿な」

再び机を破壊しながら、床に転がった海童は、飛来した物体に、目を見張った。

「時空間をこえれるのか?」

2つの物体は、赤く燃え上がる僕の両手に、おさまる。

「チェンジ・ザ・ハート!」

海童は牙を食いしばり、忌々しく、トンファータイプになったチェンジ・ザ・ハートを睨む。

「みんな…もう大丈夫」

僕は、吹き飛ばした3人のお腹の辺りに、手を添え、魔法の火を灯した。

井田達に染み込んだ海童の水が、蒸発していく。

「他の人達は…少し待ってて」

チェンジ・ザ・ハートによって、気絶させられた生徒達に、頭を下げると、

僕は、部室の中へと歩きだした。

僕が歩くたびに、水が蒸発して、蒸気が上がる。

「君は…」

直樹の戸惑い、驚いている表情に、僕は、優しく微笑んだ。

「あなたを尊敬します」


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