天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「尊敬!?」

思いも寄らない言葉に、目を丸くする直樹に、僕は微笑んだ。

「舐められたものだな!108の魔神の1人、ステイタスに、たかが、種火を使えるだけの人間があ!」

巨大な口を開き、飛びかかってくるスタイタスに、

僕は、ヌンチャクタイプへと変えたチェンジ・ザ・ハートを、軽く叩き込んだ。

「ぐぇ」

顔面に、鉄棒を叩きつけられたステイタスは、蛙が潰れたような声を発し、また床に転がった。

「種火がなければ、火はつかない。先輩!指輪は!」

だけど、これくらいで魔神クラスを倒せる訳がない。

「あっ!ああ」

いきなり言われて、焦る直樹は、ポケットを漁る。

「早く!」


「貴様!絶対、殺す!」

部室にあった机や椅子を、力任せに吹き飛ばし、立ち上がったステイタスは一瞬、光の眩しさに顔をそらせた。

光がすぐに止み、ステイタスの目の前に、


金髪の女が、後ろ姿で佇んでいた。

「勘違いするなよ…雑魚が」

ゆっくりと、金髪の女は振り返る。

「あたしが…てめえを」

さらさらと流れるブロンドに、大きな瞳。

拳を鳴らしながら、金髪の美女は言った。

「ぶっ殺す!」





天空の女神、アルテミアが、僕の世界に現れたのだ。

「ヴィーナス、光臨」

アルテミアは、チェンジ・ザ・ハートを一回転させると、軽く構えた。
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