天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「アルテミア…」


地に伏せ、翼をもがれ、体中に無数の傷が走り、

アルテミアは力尽きていた。

あらゆる攻撃は、解放状態のネーナとマリーに通じず、

カードの残高は、1になっていた。

チェンジ・ザ・ハートを握る力も、アルテミアには残ってなかった。

「もう終わり…」

「つまんなあ~い」

ネーナは欠伸にしながら、アルテミアの前に着地した。

「ヒィィィ!」

アルテミアは、目の前にネーナの足が見えた為、低い悲鳴を発し、地を這いながら、後ろに逃げる。

「惨めね」

すると、後ろにマリーが降り立ち、進路を塞ぐ。

「ヒィ」

アルテミアは、パニックになり、逃げれる方を探す。

もうアルテミアに、戦う力も意志も残っていなかった。

心が折れていた。

「よくもまあ~こんなレベルで、お父様と戦えたわね」

マリーは鼻で笑いながら、逃げように這い回るアルテミアの脇腹に、蹴りを入れた。

「ぐえ」

もうアルテミアではない。

「飽きたわ」

ネーナは、両手の甲につけた鉤爪を、震えるアルテミアの首筋につけた。

「こんなやつを、軍勢で迎える程でもなかったわ」

ネーナは、アルテミアの首を跳ねようとする。

「死ね」

「モード・チェンジ!」

ネーナの鉤爪は、地面に突き刺さった。

アルテミアから、僕に変わるとともに、慌てて地面を転がった。
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