天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
痛み…それは、もう…痛みをこえていた。

もう目も見えなくなっていた。

微かな視力と、微かな気力で、僕は自分の最後を確認した。

マリーから放たれた氷柱が、僕の体を貫いていた。

死ぬ時は、走馬灯のようにいろんなことを思い出すというけど……………僕はただ…悔しい…。




「モード・チェンジ」「モード・チェンジ」「モード・チェンジ」「モード・チェンジ」

「モード・チェンジィィィィィィ!」

アルテミアは何度、叫んでも変わらない。

「赤星!」「赤星!」

「赤星ィィ!」

泣きじゃくりながら、叫ぶアルテミアをただ見つめていた女は…

ゆっくりと口を開いた。

「あなた達を、助けてあげましょう。あたしができる…たった一度の機会…今が、その時ですね…アルテミア」

アルテミアは、その声を思い出した。

泣くのを止め、女を見つめた。

ぼやけていた女の姿が、今ははっきりと見えた。

真珠のような白い鎧に、アルテミアと同じブロンドの髪。

そして、何よりも優しい笑顔。

「お母様…」

アルテミアは目を日張り、母を見つめる。

「力を解放しなさい。あなたのすべてを」

「でも…お母様」

躊躇うアルテミアに、ティアナは微笑み、

「心配しなくてもいいの。お母さんが、守ってあげるからね」

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