天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
縦揺れの地震を思わすような揺れが、管理局を震わした。

但し、それは建物を揺らすことはなく、

そこにいた人々だけに、衝撃を与えた。

「何だ!この魔力は!」

椅子に座っていた安定者達は、思わず立ち上がったが、中腰で動けない。

「どこから感じる…近く!?いや…わからぬ」

「馬鹿な…」

衝撃は一瞬だった。

すぐに、人々は静寂を取り戻した。

「何だったのじゃ…」

冷や汗を流す長老達を無視して、ジャスティンは、空中を漂う椅子から降り、

「御免」

テレポーテーションした。

管理局から、数百キロ離れた例の倉庫まで、飛んだ。

武器庫の前に、現れると、ジャスティンは廊下を走った。

カードシステムを司り、人間以外は決して入れない特殊な結界を張った基地。

ティアナが残した部屋の前に立ち、恐る恐るドアノブを握る。

普段なら、結界に弾かれるはずなのに…ドアは簡単に開いた。

ジャスティンは少し躊躇うと、一気に開けた。

部屋に飛び込んだジャスティンが、見たものは…。


新築のように、真っ白な…何もない部屋。

「先輩…」

ジャスティンは、部屋の中で跪いた。



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