天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ジャスティンは、手に持っていたブーメランを折りたたみ、腰のベルトに装着した。

クラークは、長剣を腰にぶら下げていた。剣を使ったようだが、刃は血で汚れていなく、魔法で戦ったようだ。

ティアナは、それを責めるつもりはなかった。個人の自由だ。

特に、クラークは影切りという特殊能力が使えた。

影を切れば、その本体である、あらゆるものを切り裂くことができた。

ただし、限定条件があった。

手から、影は直接でなくても、何かを通じて触れなければいけない。(長剣の理由がそれだ)影と影が重なった所は、切れない。

日が高く、影が小さい昼間より、夕方に強く…だけど、夜は殆ど、使えなかった。

今回の旅は、ティアナの1人旅のはずだったが…弟子みたいなジャスティンが無理やり同行し…その知り合いであるクラークがついてきたのだ。

ティアナには、面識がなかったが…噂は聞いていた。

もと暗殺部隊の出身だと。

この世界でも、暗殺は人を意味していた。

影切りに、防御魔法は通用しないし、ある程度の接近を要した。

(今回は…あたしか?)

ティアナは、元老院の年寄りの顔を思い浮かべた。

(最近は名を変え…安定者と名乗っているが…)

世界の安定を願う者達。

ティアナも、そのメンバーに抜擢されていた。
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