天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
氷を溶かして、何とか自由を取り戻したネーナ。

クラークは、突然の氷柱に気を取られた為、ネーナの肩を切り落とすだけに、なってしまった。

ネーナは舌打ちすると、取り乱しているマリーを後ろから、無理やり抱きかかえ、海の向こうに飛び去っていた。



「先輩!」

ジャステンは、ティアナに走り寄った。

「大丈夫よ…」

ティアナは、氷柱を抜くと、回復魔法で傷を治し、平然と歩きだそうとしたが…

少しよろめいて、片膝を砂浜につけた。

「先輩!」




海から離れ、見晴らしの良い高台に、テントを張ったティアナ達。

ティアナは横になり、動けなくなっていた。

「モード・チェンジの使いすぎ!?」

ジャステンの説明に、クラークは頷いた。

「あの技は、人の身では、使うことは無理なんだ。せいぜい、1日2回が限度なんだ」


モード・チェンジ。

魔法が使えなくなった人々の為、ティアナが最初に考案したのが、モード・チェンジという…人間の肉体を、各種属性に自動変化させる能力だった。

しかし、肉体に負担は尋常ではなく、鍛えた体でも筋肉が激しく破壊された。ティアナであっても、チェンジ・ザ・ハートと一緒であることが条件であった。

雷から火…属性の近いものなら、負担は少ないが、火から水など…まったく正反対の属性に、変わることは、無理がありすぎた。
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