天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
空気が電気に変わった。

そんな印象を、受ける程の雷撃。

周りは、雷の輝きに、色も臭いも音も…五感が奪われた。

時さえないのかと思った時、戦いは終わっていた。

「馬鹿な…」

ライは、両手を落とした。

ライトニングソードの切っ先が、ライの喉元に触れていた。

「もう少し…力が残っていたら…」

ティアナは、城に来てからモード・チェンジを何度か使っていた。

体は、限界だった。

激しく息をしながら、ティアナは目の前にあるライの瞳を、覗いた。

ライは、目を見開き、覗き込むティアナの優しい笑顔に驚いた。

「魔王だっていうからさ…。どんな目をしてるのかと思ったら…」

ティアナはクスッと笑い、

「何て悲しそうで…寂しそうな目をしてるんだろ…かわいそうに…」

ティアナの手から、ライトニングソードが落ち、ティアナはその場で崩れ落ちた。


「私が…かわいそうだと…」

ライは、崩れ落ちるティアナの背中に手を回し、ティアナを受け止めた。

なんて、細く軽い体だろうか…。

ライは戸惑いながら、ティアナの顔を覗き込んだ。


「先輩!」

ジャスティンの叫び声が、響いた。


これが、ティアナとライのファーストコンタクトだった。


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