天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「誰なんですか?女神を倒した人って!」

ロバートはきょとんとし、僕の顔を見、

「君らに、決まってるだろ」

「え?」

僕はしばらく考え、自分を指差した。

ロバートは頷き、

「それにしても、凄いよ。これで、世界の権力図が変わる」

ロバートは興奮気味だ。

「女神達がいなくなったことにより、恐れる存在は、魔王を別にして…ポセイドン、カイオウに、リンネ、不動…そして、ジュリアンの5人だけだ」

「ポセイドン、カイオウ…」

この魔神達は、聞いたことがあった。他の3人は知らない。ロバートにきいてみた。

「リンネと不動は、炎の騎士団長。ジュリアンは…」

ロバートは、声を詰まらせた。少し躊躇うように、言葉を続けた。

「赤星君。君には関係ないことだが…。ジュリアンは、アルテミアの親戚だ」

「親戚?…って、マリー達と同じということですか?」

マリーとネーナ、アルテミアは、姉妹であることを、僕は知っていた。

ロバートは、首を横に振り、

「そっちの血筋ではない。アルテミアの母親…ティアナの妹だ」

僕は目を見張り、

「だったら、人間ですよね。どうして…魔神の1人なんですか?」

ロバートは少し目を伏せ、

「彼女は、魔王の洗礼を受けたのさ。バンパイヤの洗礼をね」


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