天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ロバートは、病室を出た。

先の戦いで、結界近くの街は、病人で溢れていたが…それと同じくらい活気にも溢れていた。

2人の女神の死は、瞬く間に世界中に広がり、多くの戦士を勇気付けた。

魔界に攻め込む…今は好機と、朝鮮半島…ソウルより少し北の街に、世界中のギルド…そして、勇者の大部分が、集結していた。

初陣は、早くも数日前に結界を出ていた。

その中には、銀狼と呼ばれる勇者や、ダイナマイトファントムという有名なギルドのメンバーも含まれていた。

それに、防衛軍が誇る…レインボーカラーの中から、レッドとイエローの勇者も出陣していた。

総勢数万の戦士達。

「例え騎士団長が出てきても、108の魔神がいても、そう簡単にはやられまい」

ロバートは、病院の廊下を抜け、外に出ると、中央広場を目指した。防衛軍の本部は、そこに簡易施設を作っていた。

戦況がわかるはずだ。

「うん?」

本部に近づくにつれ、人々の表情が変わっていく。

上空を空飛ぶ担架が、次々に飛んでいく。

「怪我人の数が多い?」

空だけではなく、前方の道も、人混みでごった返している。

ロバートは走ると、人混みをかき分けながら、広場を目指した。
< 261 / 1,566 >

この作品をシェア

pagetop