天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「全滅だと!?」

防衛軍の本部から、新たに派遣された総司令官は、飲もうとしたコーヒーカップを、床に落とした。

「はっ。レッド、イエロー両大佐…戦死。我が軍だけでなく、民間のギルドも殆ど壊滅状態だと」

報告書を読み上げる隊員は、震えていた。

「やはり…」

前司令官だった男は、その報告を部屋の隅で聞きながら、呟き、

「この地は、呪われておる…」

頭を抱えた。

「モニターに映せ!」

総司令の言葉に、赤々と明かりが、ついていた総司令室の明かりが消えると、壁一面に半島の地図が現れ、魔界の入口に、無数の生態反応が、点滅するはずなのに…。

「我が軍の…反応がない」

総司令は愕然とした。

「逃げれるものは、すべて撤退しましたので…」

恐る恐る話す隊員に、

「数万はいたんだぞ!もう女神もいないのに」

総司令は、苛立ちを隊員にぶつけた。

「それが…」

隊員は口ごもる。

「敵の数は!」

「ふ、2人です…」

「2人!?」

総司令は思わず、声を荒げた。

「はっ…1人は…天空の女神。もう1人は…」

「天空の女神!?有り得ないだろが!!!」

総司令は、その辺にあった机を叩いた。

「しかし…報告では…。もう1人は…ブラックサイエンスの…」
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