天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ブラックサイエンス?」

広場に近づくにつれ、人々や隊員の話が聞こえてきた。

「やったのは、天空の女神…」
「アルテミアなのか!?」
「2人の女神がいなくなったから…本性を現したんじゃないか」
「それに…ブラックサイエンスの隊長も…」
「どうやら…洗礼を受けたらしい」


噂する人々の会話を聞いて、ロバートは広場にいくのを止めた。

「赤星君…」

戻ろうとするロバートの前に、突然爆音とともに、右側のビルの側面が吹き飛び、ガラスやコンクリートの破片が飛び散ってきた。

その中には、明らかに人の破片がある。

ロバートは慌てて、吹き飛んだビルの前まで走った。

ビルから、反対側の道が見えた。トンネルのような空洞ができており、銃声と硝煙が見えた。

人々の泣き叫ぶ声が聞こえ、硝煙が消えた時、トンネルと化したビルの中を歩いてくる一団が見えた。

ロバートは、その一団に見覚えがあった。

逆光の中、ゆっくりと歩いてくる鎧姿の戦士達。

「うおおおーっ!」

鎧の一団の後ろの建物の影から、飛び出した防衛軍人が、ミサイルポットを装備して、発射しょうとする。

その瞬間、風のような動きで、鎧の一団の1人が飛び出し、軍人の前に立つと、両手を切り裂き、軽く蹴ると、血を吹き出しながら、軍人は後ろに倒れ、ミサイルは上へ向けて、飛んでいった。
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