天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「死人だと!」

「そうだろ。我らは、前の戦いで死んだ。俺も、お前もな!それがただ…誰かの力で、この世に留まっているだけだ」

轟の言葉の意味は、理解していた。しかし、

「人々を、守るという使命には変わりはない!」

サーシャは、ドラゴンキラーを突き出し、前にいる轟を…敵として認識しょうとしていた。

「守る価値があればな」

攻撃しょうとするサーシャより、後出の轟の攻撃の方が、速い。

それに、槍のリーチの差もあった。

とっさに、ドラゴンキラーを盾にし、槍先を受けた。

「この程度か!」

轟の両目が赤く光り、牙が口元から覗かれた。

信じられない力が、ドラゴンキラーを砕き、サーシャは後方にジャンプした。

数メートル後ろに降り立ったサーシャの目も、髪と同じエメラルドグリーンに輝いていた。

「さすが、混じってるだけはある」

轟は、槍を休めると、

「先祖返り…だったな。お前の祖先である…エルフの…」

サーシャは何も答えず、ただ轟を睨む。

轟は鼻を鳴らし、

「生きている時は、決して使わなかった…この力…。寧ろ、嫌っていたはずだが…」

轟は、槍の一回転されると、一番端を持ち、サーシャの心臓に向ける。

「自分を…戦う道具だと気づいたか…」
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